上智大学理工学部
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■ 平野研究室(機能創造理工学科)素粒子から成る宇宙原始物質の解明2314クォーク・グルーオン・プラズマ生成機構の研究高エネルギー原子核衝突反応でどのようにクォーク・グルーオン・プラズマが作られるかの模型化を行い、様々な反応を統一的に記述する枠組みの構築を目指しています。平野 哲文 教授28 1国際会議の発表に向けた大学院生によるプレゼンテーションの練習。 2教員による卒業研究の指導。 3データ解析プログラミングの作成。 4学生部屋での研究の様子。私たちの宇宙は138億年前にビッグバンという大爆発で生まれました。生まれてわずか10マイクロ秒後あたりの宇宙は「クォーク・グルーオン・プラズマ」という原始物質で満たされていたと考えられています。このクォークやグルーオンは素粒子の一種で、私たちの身の回りの物質は数兆度の温度に達するとバラバラに壊れて素粒子のプラズマ状態になります。このような極限状態ですが、地球上研究例流体揺らぎで探るクォーク・グルーオン・プラズマの輸送的性質の研究クォーク・グルーオン・プラズマのずれ粘性に代表される輸送係数を、それと密接に関わる流体揺らぎの視点から解明を目指しています。では加速器と呼ばれる大型実験施設を用いて原子核同士を光速近くまで加速して正面衝突させることでほんの一瞬だけ創り出すことができます。私たちの研究室では、高エネルギー原子核衝突反応の様子をアインシュタインの相対性理論を組み込んだ流体力学を中心に様々な手法でシミュレーションし、クォーク・グルーオン・プラズマの性質を引き出す研究を行っています。

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