上智大学 高校生のための理工学部ご案内 2020-2021
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生物学が好きだったからの一言に尽きます。高校の教科書では物足りず、本屋で見つけた今西錦司博士の本に読みふけっていました。当時は何が書いてあったのか正確には理解していなかったと思います。それでも見慣れぬ単語にワクワクしていた事だけ記憶しています。生物の複雑さ、曖昧さが今でも大好きです。理学は物事を解き明かしていく楽しさ、工学には物事を作り上げていく楽しさがあると思います。物質生命理工学科ではこのどちらの可能性も深く学ぶことが出来ます。世の中で誰も知らいない事、出来ていない事を、さまざまな理論(情報)で解き明かして行く、達成していく。そんな地味ではあるけれども着実な一歩が何よりも楽しい事に変わると思います。何かにのめり込んだり、好きな事に夢中になったりという経験は、大学生になったら出来るというものではありません。「自分には出来る」そんな自信が持てる様に、思い切り勉強したり、精一杯部活に励んでください。そんな経験がこれからの皆さんを支えてくれるはずです。1. 高校生のときに理工系の大学に行こうと思った理由2. 理工系の良いところ、楽しいところ3. 今(高校生)のうちからしておいた方が良いこと中学生の頃に親戚に教わったコンピュータでの計算の原理が、高校数学を学んで少しずつ理解できたことが、理工系への進学を考えるようになった一つのきっかけでした。また、数学や物理の問題は解けたかどうかが明白なため、その「スッキリ」とした感覚に惹かれていたことも大きな理由です。数学的に証明された命題や、実験で再現可能な事象のように、未来永劫にわたってその正しさが揺らがない事柄が理工系の学問には数限りなくあります。そのような事柄の発見に携われる可能性が学生や若い研究者の前にも大きく開かれているところが、理工系の良さだと思います。物事に本気で取り組んだ人だけが、チャンスを逃さずに何かを成し遂げることができると思います。「いざとなれば本気は出せる」と考えがちですが、「本気の取り組み」に挑戦した経験なしに本気の力はなかなか出せません。若いときの「本気で取り組む経験」を大切にしてください。1. 高校生のとき理工系の大学に行こうと思った理由2. 理工系の良いところ、楽しいところ3. 今(高校生)のうちからしておいた方が良いこと小学生の頃は「学研と科学」という雑誌を毎号心待ちにし、夏休みの自由研究も物体の落下実験など、科学に興味を持っていました。中学生からは数学に熱中し、数学や数学者に関する本を多く読んでいました。高校生で物理学と化学の面白さを感じ、将来このような分野の仕事が出来れば、と思っていました。最先端の研究に触れられることが一番の楽しいことです。わたくしの研究は世の中に無いものを作り出すことですが、自分でアイデアを出し、そしてそれを自分の手で作り上げることができる環境が大学にはあることです。このような研究をしていると自然とコミュニケーションの対象は海外の研究者にも広がっていき、研究とともに人とのつながりも国際的になっていくことが醍醐味ではないでしょうか。受験勉強のためには公式などを丸暗記する必要があり、それを否定はしませんが、是非その根本の原理を知る習慣を付けて欲しいと思います。また最近はインターネットを通じて簡単に多くの情報を得ることができますが、こう書いてあったから間違いのはずはない、など情報を鵜呑みにしたり、先入観を持たないことが必要です。自分で調べて考える習慣を付け、情報が正しいのか確認することが大切だと思います。1. 高校生のときに理工系の大学に行こうと思った理由2. 理工系の良いところ、楽しいところ3. 今(高校生)のうちからしておいた方が良いこと理工学部物質生命理工学科長神澤 信行 教授 理工学部情報理工学科長澁谷 智治 教授 理工学部機能創造理工学科長下村 和彦 教授 Faculty of Science and Technology高校生に送るメッセージ研究・キャリア 35

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