上智大学 高校生のための理工学部ご案内 2020-2021
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Message高校生に送るメッセージ高校の物理の先生の授業がとても明快で分かりやすく面白く感じられ、大学でさらに物理の勉強をしてみたいと思って、理工系の大学に進もうと思いました。今は大学で講義をする立場にありますので、上智大学に入学した学生さん達に、同じように講義が面白くて、さらに大学院まで進んで勉強をしてみたいと思って貰えるようにと心がけています。理工系では学生実験や演習科目などが多く大変に思われるかも知れませんが、そのような実験・演習を積み重ねることによって、物事を論理的に考えたり処理したりする態度や能力を身につけられる点が理工系の良いところだと思います。大学4年間の集大成とも言える卒業研究では最先端の研究に直接携わることができ、自分が最先端の研究の一翼を担っているという充実感や達成感が得られると思います。今の受験勉強が何の役にも立たなそうで苛立つことも多いかと思いますが、後々どの道に進むにせよ地道に勉強する方法論を確立しているか否かで、将来は大きく変わってきますので、勉強する習慣を身につけることは大事かと思います。とは言っても一見無味乾燥な勉強を続けるのは辛いので、興味が湧けば勉強も少しは楽しくなってくるかと思いますので、面白いと思って夢中になれる理工系教科ができると素晴らしいですね。1. 高校生のときに理工系の大学に行こうと思った理由2. 理工系の良いところ、楽しいところ3. 今(高校生)のうちからしておいた方が良いこと理工学研究科理工学専攻主任理工学部機能創造理工学科 桑原 英樹 教授 研究・キャリア社会は大きく変わろうとしています。その変化の足音は高く響いていますが、どこに向かっているのか、何が到達点なのか、現在の私たちには見えていません。なぜでしょうか?それにはいくつかの理由があると思います。例えば、私たちの方向性を導く主体が人間であり続けるのかという不安が存在すること、また、人間社会が地球にどう調和するかといった未到の課題が、直ちに解決すべき現実的な問題として突き付けられていることなどが挙げられるのではないでしょうか。ここで示した前者はAI技術の進展、後者は地球環境問題を指していますが、そのどちらもが、社会における人間のありかたとは?という本質的な問いかけを含んでいるのです。理工学を学び、研究を視野に入れている皆さんは、このような現代において、新しい社会の創造の担い手として期待されています。単なる科学や技術を進展させるだけでなく、新しい社会を正しく導くための、人間理解、倫理観、信念などに長けた豊かな人間性を有するリーダーが待ち望まれているのです。上智大学は理工学部での時代に則した新しい学び、そして深い研究のみならず、一つのキャンパスに人文科学、社会科学の学術分野を配置して、専門性に加えて、人間性、教養、語学力といった社会を牽引するための基盤を醸成する環境を整えています。皆さんの豊かな能力がこの環境下でさらに磨かれ、他者に寄り添う気持ちと共に社会に大きな貢献を果たすリーダーとして成長して頂きたいと思います。新しい社会の創造の担い手であるために上智大学第16代学長 理工学部機能創造理工学科 曄道 佳明 教授   34

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