上智大学 高校生のための理工学部ご案内 2020-2021
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物質の電気抵抗がゼロになる超伝導は、リニア新幹線や医療用のMRIなどで利用されています。これらの超伝導材料は金属化合物で、極低温まで冷やさないと使えませんが、銅の酸化物や鉄の化合物は比較的高い温度で超伝導を示す魅力的な物質です。私たちの研究室では、銅酸化物と鉄化合物で見られる高温超伝導の発現メカニズムを解明するために、高品質の試料を作製し、電気伝導特性、磁気特性、熱特性などを測定しています。また、国内外の大型加速器施設を利用して、物質の中にあるミクロな磁性を詳しく調べることができるミュオンスピン緩和測定を行っています。これらとともに、国内外の研究グループと共同研究を展開しています。高温超伝導の発現メカニズムを解明して、室温で超伝導を示す物質の創製を目指しています。足立 匡 教授1X線による物質の構造解析。2電気炉による試料の熱処理。3微小な試料を顕微鏡で取り扱う。4赤外線加熱による単結晶の作製。高温超伝導の発現メカニズムの解明1234■ 足立研究室(機能創造理工学科)研究例伝導キャリアを注入しなくても発現する新しい高温超伝導物質があります。この仕組みを明らかにし、新高温超伝導物質の開発につなげます。キャリア非注入型高温超伝導の研究我々は、磁石の性質である強磁性のゆらぎが高温超伝導物質にも存在することを突き止めました。超伝導と強磁性の相互関係を明らかにします。強磁性ゆらぎと高温超伝導の研究28

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