上智大学 高校生のための理工学部ご案内 2020-2021
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化学反応は原子や分子同士の衝突によりおこります。衝突の途中で形成される短寿命の「衝突複合体」の性質を調べることで、反応がどんな確率でどのように進行するかを調べることができます。本研究室では、宇宙空間やプラズマで起こるような反応にとくに興味を持ち、衝突複合体として期待される高エネルギー分子の性質を調べる実験研究を行っています。実際にその場に行ってみることができないような極限環境において、どんなことが起こっているかを予測するうえで、これらの基礎的実験事実は重要な意味を持ちます。加速器などを利用して高エネルギーの分子を作り出し、それらが壊れて生成する粒子の種類、エネルギー、運動量、および、それらの相互関係を調べ、反応の詳しい理解を目指す研究を行っています。小田切 丈 准教授研究例短寿命の分子状態はしばしば分解しますが、そのときに生成する解離断片の運動量の分布を画像として観測し、反応の詳細を調べます。運動量画像観測法による反応ダイナミックスの研究エネルギー吸収に伴い分子内の複数電子が放出される反応において、出てくるすべての電子を計数してそれらのエネルギー相関を調べ、反応中の電子および原子核の動きを解析します。 電子‐電子同時計数による分子の光多重電離過程の研究Laboratories研究室紹介研究室1設計・製作した電子銃は動作前に導通・絶縁試験を行います。2ゼミの様子。3加速器利用実験の結果をオフラインで解析しています。4荷電粒子軌道計算シミュレーションを利用して装置を設計します。原子衝突物理学の実験研究1234■ 小田切研究室(物質生命理工学科)26

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