上智大学 高校生のための理工学部ご案内 2018-2019
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私が理工学部を目指した理由は、論理的に物事を突き詰めていく理系の科目を深めることに興味があり、大学ではより専門的に学んでみたいと考えていたからです。同時に、高校の学習の範囲まででは触れることのない新しい分野であり、世の中の最先端を行く情報工学の学習にも興味があり、情報理工学科を志望しました。その中で上智大学の、“文系学部と同じキャンパスで文理融合の環境がある”“少人数の授業で教員と気軽にコンタクトをとれる”という点に惹かれました。また、上智大学の情報理工学科は、“情報工学と数理学どちらの基礎も学ぶことができる”という点に魅力を感じました。情報工学の専門分野は大きく分類して、人間情報・情報通信・社会情報・数理情報の4つの分野がありますが、特に世の中の最適化を測るロジックを学べる社会情報に興味を持ちました。高校までの学習では、全般的な知識の絶対量を増やす学習が大半でしたが、大学では一つの分野を専門的に追究するだけでなく、社会で直接的に活かせる分野を学ぶことができるという魅力があります。私が特に印象に残っている講義は、社会情報分野のロジスティクス工学です。これは、経済において必要な原材料の調達から生産・在庫・販売するまでの物流を、工学的な手法を用いて企業が最も効率良いように最適化するという講義でした。複雑に絡み合った事象を解きほぐして考察する必要があり苦労しましたが、合理的・工学的手法を知ることができました。私は研究室で情報科学の根底にある数理学を改めて追究したいと考え、数理情報の研究室を選択しました。その中でも代数・解析・幾何など数学のあらゆる手法を用いて、整数の性質を解明する研究室に所属しています。導入では、イデアルというものを定義し、最小公倍数や最大公約数、ユークリッドの互除法等を証明することをしました。今後このイデアルを応用させていき、平方剰余の相互法則を学んでいく予定です。今まで何気なく用いていた身近な数学を解明していくことができる点が魅力的です。私はICT業界の最先端に携わり、人間にとってより便利な環境の追究や新しい生活スタイルの設計を行っていきたいと考えています。その中でも、システムエンジニアとしてお客様の要求に対して自らの手で新しい価値を創造し、便利な技術を多くの人々に提供したいです。お客様の声を身近に聞きつつ、上智大学理工学部生として学生時代に培った「幅広い情報工学知識」「情報科学の根底にある数理的知見」「論理的に物事を組み立てる思考力」を活かし、豊かなくらしを支える最適な商品をつくり提案していきたいです。ICT業界の最先端ですでに活躍されている方々の姿を学ばせていただきながら、世界中のネットワークを活用しつつ、関わった製品を世の中に幸せをもたらすコンテンツとして発信し、明るい未来を創造していきたいと考えています。志望動機理工学部での学び研究室に配属されて将来の展望数理情報の知識や思考を、明るい未来の創造へN.I. 情報理工学科 4年 (撮影時2017年度)本研究室では、整数論を研究しています。整数という素朴な対象の背後にある理論の深さに加え、計算機による実験的な計算や、情報化社会を支える数理技術の基盤理論という面もあり、素朴と深遠・理論と実用が表裏一体なところが魅力です。数学のゼミでは一般にテキスト講読が中心ですが、細部をゆるがせにせず理由・根拠が明確になるまで考え、自分の理解を基に発表することは、卒業後にどの分野に進んでも、自分を支える経験になると考えます。角皆研究室(情報理工学科)Laboratories指導教員の角皆宏教授と 05

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