上智大学 高校生のための理工学部ご案内 2018-2019
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僕は、父親が数学の教員だったことから、もともと理系に対する苦手意識はなく、むしろ興味・関心を持っていました。特に、化学や物理の実際の現象を扱うことに面白さを感じていました。ただ、高校生の時点では、特定の科目に打ち込むというよりは化学や物理を幅広く学びたいと考えていたため、それができる大学を探しました。そこで目にとまったのが、上智大学理工学部の物質生命理工学科です。物質生命理工学科の、物理学や化学に加え生物学や環境科学などを融合的に学ぶ「複合知」を目指した教育方針に共感しました。まだ将来何をしたいのか、具体的な展望を持っていなかった当時の自分にとって、広い分野をそれぞれ学ぶことができるという点はとても魅力的であり、その過程で自分のやりたいことを見つけることができればいいなと思ったのが、この学科を目指そうと思ったきっかけです。上智大学理工学部は東京の中心地にあり、文系とも同じキャンパスであるにもかかわらず、周囲の環境や実験設備に不自由を感じることなく、勉強や研究を行えることが魅力のひとつであると思います。また、勉学に励みつつ、普段から授業やサークル活動を通じて様々な価値観を持つ人と関わることができます。もうひとつの特色として、上智大学理工学部は学生の人数が少ないため、教授との距離が近いことが挙げられます。授業で分からないことも直接質問することができ、研究室でも手厚い指導を受けることができると感じています。僕が所属する鈴木研究室では、有機合成を行っています。有機合成は、一般的に反応や操作に時間がかかる研究であるため大変だと言われています。研究室に配属された今、それを実感することもありますが、高校時代は苦手だった有機化学にこんなにも興味を持って向き合えていることに自分でも正直驚いています。現在行っている研究は、細菌などに結合して蛍光を発する化合物の合成です。大学4年生になるまで、研究とはどのようなものか想像がつかなかったのですが、“今まで誰も作ったことがないものをできるかどうかの確証もない方法で作る”ということに面白さや優越感を感じ、実際にそれが実現できた時にはとても感動します。大学入学以前は、将来やりたいことが決まっておらず、教員だった父の影響もありぼんやりと同じ道を進みたいなと思っていました。そのため、大学では教職課程をとり、理科の教員になることを目指していました。しかし、上智大学に入学し、理工学部での学びを通して関心を持つことができる分野に出会い、実際に希望した研究室に配属になって以降は、自分の興味ある事柄を納得のいくまで突き詰めることの楽しさを知りました。現在、具体的にどのようなことをしたいのか明確な答えは出ていませんが、まずは大学院に進学し、大学院の2年間に他の人とは違う自分だけのテーマを見つけて研究を行い、将来は自分がやりたいテーマを思う存分追求できる研究職に就きたいと考えています。そのためにも、今は残された学生生活を楽しみながら、精一杯研究に励みたいと考えています。志望動機理工学部での学び研究室に配属されて将来の展望納得がいくまで追求する、それが研究の面白さK.A. 物質生命理工学科 4年 (撮影時2017年度)本研究室は、有機化学と創薬化学の研究室です。「ナノの世界のものづくり」である有機合成化学の知識と技術を利用して、ライフサイエンス分野に貢献できる機能性分子の創製を目指しています。国内外の医学・薬学・物理化学など幅広い分野の研究者と協力して、新規抗がん剤・診断薬・蛍光センサーの開発など「複合知」を活かした研究に取り組んでいます。知識・技術だけでなく、「自ら考え、自らを切り拓く」ことを学びます。鈴木研究室(物質生命理工学科)Laboratories指導教員の鈴木由美子准教授と 03

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