上智大学 高校生のための理工学部ご案内 2018-2019
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高校が理数科という特別な課程だったこともあり、数学、化学、物理、生物、地学の分野に進学したいと考えていました。特に、化学と物理には興味があり、将来はこれらの分野で学者になりたいと思っていました。これまでに理解できなかった現象や状態を体系的に理解できるようになることが楽しいです。さらに、これまでの理論や常識で理解できないような事柄に出会ったときには、もっとも楽しいと思います。理工系だから理数系科目ができれば良いというものではないと思います。好き・嫌い、得意・苦手は誰しもありますが、嫌い、苦手は作らないように好き、得意を伸ばすことが重要です。得られた結果や成果は世の中に公表しなければならないので、英語や日本語などの語学力は必要です。本や新聞など多くの文章と触れあうことは重要だと思います。1. 高校生のときに理工系の大学に行こうと思った理由2. 理工系の良いところ、楽しいところ3. 今(高校生)のうちからしておいた方が良いこと高校2年生の秋に父を胃癌で亡くしました。当時、癌は不治の病でした。転移し組織を破壊する癌細胞を駆逐する手段を学び、研究するには、理工系学部も含めどのような道を選択すれば良いのかを考えていました。理工系の実験科学分野の研究は、自身の手を動かし実験することでスタートします。自身で考えた仮説に従い、空振りを恐れず、多くの実験を行い、実験結果を得ることで謎が解明できたり、新発見が得られたりすることだと思います。また、その新発見が異分野との多彩な接点を生む可能性を持つ点も魅力ですね。仮説を練り実験すること、その結果をわくわくしながら見定めるときが楽しいですね。将来自分が叶えたい夢を探すことを始めたらと思います。夢を探すために、自分の興味を狭く絞らず、好奇心を持って多くのことを吸収してほしいですね。そんな姿勢で感性を磨くと、既成の枠に囚われない、柔らかい思考ができる“脳力”が養われるはずです。1. 高校生のとき理工系の大学に行こうと思った理由2. 理工系の良いところ、楽しいところ3. 今(高校生)のうちからしておいた方が良いこと小学生の頃は「学研と科学」という雑誌を毎号心待ちにし、夏休みの自由研究も物体の落下実験など、科学に興味を持っていました。中学生からは数学に熱中し、数学や数学者に関する本を多く読んでいました。高校生で物理学と化学の面白さを感じ、将来このような分野の仕事が出来れば、と思っていました。最先端の研究に触れられることが一番の楽しいことです。私の研究は世の中に無いものを作り出すことですが、自分でアイデアを出し、そしてそれを自分の手で作り上げることができる環境が大学にはあることです。このような研究をしていると自然とコミュニケーションの対象は海外の研究者にも広がっていき、研究とともに人とのつながりも国際的になっていくことが醍醐味ではないでしょうか。受験勉強のためには公式などを時には丸暗記する必要があり、それを否定はしませんが、是非その根本の原理を知る習慣を付けて欲しいと思います。また最近はインターネットを通じて簡単に多くの情報を得ることができますが、こう書いてあったから間違いのはずはない、など情報を鵜呑みにしたり、先入観を持たないことが必要です。自分で調べて考える習慣を付け、情報が正しいのか確認することが大切だと思います。1. 高校生のときに理工系の大学に行こうと思った理由2. 理工系の良いところ、楽しいところ3. 今(高校生)のうちからしておいた方が良いこと理工学部物質生命理工学科長長尾 宏隆 教授 理工学部情報理工学科長笹川 展幸 教授 理工学部機能創造理工学科長下村 和彦 教授 Faculty of Science and Technology高校生に送るメッセージ研究・キャリア 35

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