上智大学 高校生のための理工学部ご案内 2018-2019
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Message高校生に送るメッセージ中学1年の夏休み、宿題の少ない学校だったので時間がたっぷりあり数学の問題集を何度も繰り返しました。問題文も覚えるほど反復したら、2学期の数学はよく理解できました。これがきっかけとなり理科も同じように勉強して楽しくなり、その流れで高校の進路決定時には理工系進学を当たり前のように考えていました。大学1年から実験があります。大教室での受け身の講義ではなく、少人数のグループに分かれて色々な器具を使う物理や化学などの実験です。うまく測定できないことや理論と一致しない誤差が出ることも多く、教科書の理論通りにならない原因を考察することになります。高校生として充実した毎日を過ごすことが一番です。日々の授業に懸命に取り組み、帰宅後には更なる勉強が必要になるでしょう。それらの地道な積み重ねが皆さんの実力となり、大学で研究を進めてゆくのに役立つ大切な基礎学力となります。1. 高校生のときに理工系の大学に行こうと思った理由2. 理工系の良いところ、楽しいところ3. 今(高校生)のうちからしておいた方が良いこと理工学研究科理工学専攻主任理工学部機能創造理工学科 高尾 智明 教授 研究・キャリア今、社会は、科学、技術の発展に大きな期待を寄せています。一方で、科学の進展のスピードが人間の許容範囲を超えているのではという疑念から、未来社会を不安視する声も少なからずあります。これらの社会の反応の二面性は何を意味しているのでしょうか?科学技術が人類社会をより豊かに正しい姿に導くのか、あるいは倫理や制度を破綻させ、混沌とした社会を導いてしまうのか、その分岐点に私たちは直面しているのです。向こう10年間を見通すと、AI、IoT、ビッグデータなどの発展が、社会に大きな変革を与えることは間違いありません。これらは、産業構造や就業形態をも変革させるでしょう。しかし、これから大学での理工学を修学する皆さんには、さらにその先、つまり20年から30年先の社会の在り様を展望することが求められます。皆さんに求められる資質の一つは、専門性を軸としつつ、学際的、融合的、複合的な領域を切り開くことができる柔軟性のある応用力です。もう一つは、将来の社会が必要とする科学技術を見極めるための社会展望力です。本学は、文理すべての学部をワンキャンパスに備えています。文理融合、理工融合などの柔軟な教育・研究環境を有する本学理工学部、理工学研究科は、このような時代背景に応える次世代社会に向けた科学者、技術者の育成を目指しています。新しい社会の創造に大きな志を持つ皆さんに、飛躍の機会となる修学環境を提供してまいります。複合知を備え、科学技術が切り開く次世代社会への展望力を上智大学第16代学長 理工学部機能創造理工学科 曄道 佳明 教授   34

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