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人間にやさしい社会をめざして

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出典: ソフィアサイテック vol,23(2012年)

高岡 詠子(情報理工学科・准教授)


 高岡研究室では、環境・教育・福祉を支えるためのアプリケーションを構築したり、データ解析を行っています。

 研究室の一つの大きなテーマは「環境」です.本研究室は<~活きた地球の環境情報~デジタル環境情報の中で自律的な生成/流通/加工/共有に向けて>というスローガンで活動しているLiveE!プロジェクトに参加しています.LiveE!プロジェクトが設置しているデジタル百葉箱では気温、湿度、風速、雨量、風向、一部ではCO2や日射量を計測しています。これらのセンサは気象庁が設置しているおおがかりなセンサとは違い,安価で手軽に設置できますが,故障対策や信頼性など検討項目も多くあります.キャンパス内にも気象センサを設置し、そこで計測される気象データ、CO2データ、放射能のデータなどを分析して、教室の二酸化炭素濃度が学習にどんな影響を与えるか?ヒートアイランドの原因は何だろう?太陽光発電だけでどれだけ気象センサが動き続けられるか?微気象データを環境のためにどう活用できるか?どんなニーズがあるか?どんなことができるか?今,まさに動作検証,運用を模索している段階です


(左)太陽光発電によって動いているデジタル百葉箱(クルップホー屋上設置の様子)
(中)SJハウスに設置したデジタル百葉箱
(右)クルップホール屋上に設置したデジタル百葉箱

 2つ目のテーマは「福祉」です。ノートテイカーなどボランティア募集に関するリアルタイム性をあげるということがどの大学でも課題としてあげられています。この課題を解決するようなWebアプリケーションを構築するプロジェクトを本学のボランティアビューローと連携して立ち上げています。上智の学生がもっと身近にボランティア活動に接し、参画できるようなフレームワークであり、さらに、同じフレームワークを使って、上智の伝統でもあるヘルパー活動を支援するような運用への展開も可能です。

 3つ目の大きなテーマは「教育」です.eラーニングコンテンツの開発を行ったこともあり,eラーニングを利用することで,従来からの教育スタイルとは違うスタイルを提案し,多様な学生にできるだけ学習を行ってもらうための手法を提案しています.それとは別に、現在、高校と連携して「情報」に関する教育のテンプレートの構築も行っています。タッチタイプを効率よく身につけるにはどうすればいいか?学習量と成績との関係はどれくらい強いのだろう? などというテーマもあります。

 どの研究テーマにおいても人と人とのつながりを大事にし、実際の現場に足を運んでコミュニケーションを密にとりながら人間にやさしい社会を目指して一歩一歩進んでいます。

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