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情報理工学科
Department of Information and Communication Sciences

情報による人と社会の有機的関連を構築する。
□ 収容定員 : 480人 (1年次入学定員120人)
□ 教員総数 : 32人 (教員一覧)

教育の理念
人間と社会に必要不可欠な「情報」が研究対象

 インターネットでの電子メールやWWWという新たなコミュニケーション手段と、PCや携帯電話などの高性能な情報機器の一般社会への普及は、情報の量的、時間的な変化を社会にもたらしました。多くの人によって生み出された膨大な情報を蓄積し、これらの情報を世界中に短時間で伝達することが可能になりました。
 人間によりやさしい情報社会を実現するため、目的に適した価値のある情報を利用できる、質的変化をもたらす情報技術の確立が求められています。多くの人や社会が持つ知識、知恵、経験を蓄積できるよう目に見える情報として整理すること、これらの情報を有機的に組み合わせ、必要な情報を適切な形で提供できることが不可欠です。
 情報理工学科は、新体制の理工学部が掲げる「人間・環境・情報をキーワードにした人間環境支援型理工学融合教育」に則り、計算機科学、人間情報学、電子情報学、数理情報学を基礎とし、人文・社会科学との学際的な融合を図った教育を展開します。“情報”を通して人間と社会に対して深い理解をもつ、創造力豊かな人材の育成をめざします。

カリキュラムの特徴
情報技術や、人間や社会に目を向けた文理融合を図る

 情報理工学科のカリキュラムでは、ハードウェア、ソフトウェア、プログラミング、電子情報、ネットワーク、情報数学などの、コンピュータや情報システムを構成する基盤となる、サイエンスやエンジニアリング的な基礎を教育します。さらに、「人間情報」「コミュニケーション情報」「社会情報」「数理情報」の4つをキーテーマとして設定し、それに沿った学科科目を用意しています。この4つのキーテーマに沿った教育により、単に情報の技術を勉強しただけではない、人間や社会に目を向けた人材の育成を行います。
 また、情報理工学科の特色は積極的に文系との融合が図られていることです。たとえば経済学(経営情報学など)、社会学(社会情報学など)、言語学(言語情報学入門など)、心理学(実験心理学)や社会福祉学の文理融合科目を積極的に設置します。
 理工学部の優れた教育プログラムとして国に認定された「科学技術英語教育」で、英語で仕事ができる科学技術者への足がかりを固めます。

「基礎教育の徹底」と、「横断的で柔軟な教育」を両立

 新しい理工学部では、「理工基礎教育の徹底」と「より横断的で柔軟な教育・研究システムの構築」を検討しました。その結果として3学科共通の「理工共通科目T群(主に1年次に履修)」、「学科コア科目(主に2〜3年次に履修)」、「理工共通科目U群レベル1・レベル2(主に2〜3年次に履修)」を編成しました。この後に、学科専門科目群があります。
 情報理工学科の独自性は、2年次の「学科コア科目」情報理工学基礎からスタートします。学科基礎科目レベル2までで、ハードウェア、ソフトウェア、プログラミング、電子情報、ネットワーク、情報数学の基礎を学びます。その後の学科専門科目群に、「人間情報」「コミュニケーション情報」「社会情報」「数理情報」という学問体系の修得に配慮した科目群を編成することにより、@人間と生物のコミュニケーション活動や情報処理機構の解明とその応用、A情報系を構成するシステムやネットワークの実現、B人と社会にやさしいインターフェースとシステムの実現、C数理現象を対象とする真理の探究、という多様な教育を実現します。また多くの実験実習(全学共通科目の情報リテラシ演習も含む)で、プログラミング演習、電子情報実験、数学演習が行われます。

人間・コミュニケーション・社会と情報の関係を学ぶ学科専門科目

 3〜4年次に履修する学科専門科目群では、情報理工学科が対象とする4つのキーテーマに沿った科目が編成されています。

■人間情報
 情報の観点から人間を捉え、人間を理解した上で情報を扱う基礎と応用を学びます。「感覚情報処理」「生体医工学」「学習・記憶・認知」「実験心理学」「脳神経科学」「言語情報学入門」など、人間の感覚や体から、心や脳のメカニズム、言葉などを理学・工学的に見つめる科目を揃えています。また、そのメカニズムを科学技術に応用する領域を学ぶ「ニューラルネットワーク」「音声・音響工学」「画像処理工学」があります。教育や福祉の場面でITをいかに活用するかを考える「教育情報工学」や「福祉情報学」があります。

■コミュニケーション情報
 人がコミュニケーションを図るという基本からヒューマン・マシン・インターフェースまでを扱う「ヒューマンコミュニケーション」に始まり、制御の理論や応用を学ぶ「制御工学」、基盤となる半導体技術を扱う「電子デバイス」、そしてそれらの上に、複数の人や機械を結ぶ情報通信技術を扱う「信号基礎論」「情報通信工学」「通信ネットワークシステム」に至るまでをカバーします。また、「電子情報産業概論」では電子情報分野の産業界における位置づけを垣間見ることができます。

■社会情報
 人と社会にやさしいシステムの実現をめざす「情報システム工学」「ソフトウェア工学」「分散コンピューティング」をはじめ、人の知識・経験則、試行をシステムの中に取り込んだ「知識工学」「シミュレーション工学」、生産・物流を管理する「生産工学」、「ロジスティクス工学」、経営上の意思決定を支援する「オペレーションズリサーチ」「経営情報学」などが揃っています。社会に対するメディアの影響力を探る「メディア工学」「メディア情報学」「社会情報学」などにも社会情報というキーテーマの特徴が表れています。

■数理情報
 ある学問分野が自然科学の一分野として確立するには、数学の言葉による定式化が欠かせません。情報科学も数理の裏付けを得て自然科学として確立し飛躍を遂げました。情報科学の基礎となる「計算機数学」「離散数学」「暗号・符号理論と情報セキュリティ」、社会への支援に繋がる「多変量解析」「数理ファイナンス基礎」を前衛とし、基礎的な数学の各分野から、代数系の「環と加群」「体とガロア理論」、幾何系の「多様体論」「位相空間の不変量」、解析系の「測度論」「常微分方程式」が、探求志向の基軸科目としてこれを支えます。


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